激流(上・下) 【柴田よしき】

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 物語の発端は、主人公となる7人の中学生時代にさかのぼる。修学旅行の自由時間。班別行動の際に、いつの間にかその中の女子生徒が行方不明となる。中学・高校時代の出来事が後々の事件の発端になるとの物語はいくつもある。例えば、吉永小百合が主演した映画「北のカナリアたち」の原作、湊かなえの「往復書簡」の一編「二十年後の宿題」とか、堀北真希が主演した映画「白夜行」の原作、東野圭吾の「白夜行」などなど。

 それほど、中学・高校時代というのは危うさを秘めた時期ということか。そういえば、湊かなえの「告白」も中学生の残忍な行為が事件の発端だった。彼らが真っ只中にいる思春期というのは、我々大人にとっては誠に意味不明、理解不能だった。思春期の子どもさんをもつご家庭では、子育てにずいぶん悩まれたところも多かろう。うちの家庭もご他聞に漏れずだ。

 それはさておき、物語のほうは、行方不明だったはずの女子生徒の名前で当時の仲間に突然送られてきたメールから急展開する。事件から十数年経ち、それぞれがそれぞれの生活を営む静かな水面に、そのメールは石を放り込み波を立てることになった。最初は、ほんの少しの狂気により起こされた波が、次第に「激流」となって関わる者の人生や命を脅かすことになっていくことになる。読み応えのある上下2巻の長編作品だった。



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